尾道市立大学で講義をしてきました!
皆さん、こんにちは。いつもお世話になっております。
セミナーレビューがご無沙汰になってしまっていた為、久々のレビュー記事になりますが、この度お声掛けを頂き、5月の中旬に尾道市立大学の授業にて、大学1年生約50名の方向けに特別版のマネー講座を実施して参りましたので、今回はそのレポートをしていきたいと思います。
これまで様々な企業・団体からお声掛け頂き、色んな場所でセミナーや講演をさせて頂いてきましたが、『学生向け』に講義をするのは初めての経験で、どんなテーマや内容で講義をしようかと非常に悩みましたが、iDeCoやNISAといった具体的な手段の話ではなく、今回は・・・
【人生とお金】
という少し大きなテーマを軸にお話をさせて頂きました。
< 講義でのトピックス >
●ライフサイクルと人生の三大資金
●勤労と“金労”
●時間と金利を味方につける
●貯める・ふやすお金の預け先は?
●預金 VS 積立投資
●行動する前に考えて欲しいこと
今回は上記のトピックスに沿ってお話をさせて頂きました。
講義後のアンケートへの回答内容を見ると、
『もっと詳しい話も今後の講義で聞いてみたい』にチェックを入れてくれている方が全体の約半数もいたことから、若い世代の方々もお金に対する関心が高まってきていることを改めて実感しました。
また、講義後のアンケートで、【本日の講義の中で興味が湧いたパートはどこですか?】という質問をさせて頂いたのですが、その回答結果の中で最も多くチェックが入ったのは、『●行動する前に考えて欲しいこと』のパートでした。(アンケート回答者42名中17名)
そこで、今回の講義レビューでは、私が学生の皆さんにお話をしたことをご紹介させて頂きます。
学生の方だけではなく、社会人の皆さんにも意識して頂きたいお話ですので、ぜひ最後までお付き合い下さい。
~ 行動する前に考えて欲しい3つのポイント ~
最近はSNSやYoutubeなどで、お金に関する話題や投資に関する内容の投稿を目にする機会が非常に増えていることもあり、『やっぱり、iDeCoとか新NISAをした方が良いんですかね!?』とすぐに何かを購入したり、契約したりしようとする方がいらっしゃいます。
ただ、ぜひそういった行動をとる前に一度落ち着いて考えを整理して頂きたいと思います。
これは学生に限らず、既に社会人として生活している方々にも言えることですが、皆さんが『お金を貯めたいな、ふやしたいな』と思った時に、具体的な行動をとる前に以下の3つのポイントを整理した上で、何かを購入したり、契約したりといった具体的な行動に移って頂きたいと思います。
ポイント① ・・・ 【目的】
1つ目のポイントは『何のために』という【目的】です。そのお金は何の目的のために貯めるのか?(ふやすのか?)をはっきりさせましょう。
教育資金のためなのか、住宅資金のためなのか、老後資金のためなのか、ここを明確にすることが重要です。私もFPという仕事柄、皆様との打ち合わせの中で、預金や投資をされている方々に『その預金(投資)は何の目的でされているのですか?』と尋ねると『何となく不安なので…』や『友人や同僚がしているので…』といったお答えが返ってくることが多く、 『これは●●のためです!』と明確に返答が返ってくる方は意外に少ないのです。後述しておりますが、この『目的』をまず整理しておくことは非常に重要なポイントです。
ポイント② ・・・ 【目標(金額)】
2つ目のポイントは、『いくら』まで貯めるのですか?ふやすのですか?という【目標(金額)】です。
お金を貯めたり、ふやしたりすることは数日で出来るものではありません。中長期的に時間をかけてコツコツ育てていく場合がほとんどかと思います。そうやって時間をかけてお金を育てていく中で、ある程度『ここまで貯めよう(ふやそう)』という目標(金額)がないと、途中で心が折れてしまって継続できないケースが多々あるのです。なので、1円単位まできっちり目標(金額)を決めて下さいとは言いませんが、ある程度の目標(金額)を持った上でスタートを切ることをお勧めします。
ポイント③ ・・・ 【手段】
そして、最後のポイントが『どうやって』という【手段】です。
多くの方がここから物事を考えてしまいがちです。実際のご相談の場面でも、『何を買ったらいいんですか!?』『どれを契約したらいいんですか!?』といった感じで、この手段の話から入る方が非常に多いと感じます。どういった手段でお金を貯めたり、ふやしたりするのかも大切なことなのですが、私が常々皆さんにお伝えしているのは、【目的】・【目標(金額)】・【手段】この3つの組み合わせがなにより重要だということです。
例えば、
・【目的】 = 老後資金のために
・【目標(金額)】 = 3,000万円を
・【手段】 = NISAを使って積立投資で準備する
といったイメージです。
ここで重要なのは、【目的】と【目標(金額)】が整理できたら、それを準備するために適している【手段】は何なのか?と考える事だと思います。
先述の例をそのまま使うのであれば、老後資金のために3,000万円準備しようとした時に、もしかしたら投資でなくても預金で十分準備できるという人もいるかもしれません。私は、それならそれで構わないと考えています。
ただし、『給料も限られているし、まして利息の付かない預金だけで3,000万円貯めるのは難しい…』という状況の人なのであれば、投資という手段も使いながらお金をふやすことを考えた方が良いかもしれません。なぜなら、結局一人一人収入も支出も違うわけですから、自分が必要な金額を、どの手段を使って準備するのが良いのかは人それぞれ違うはずです。
だからこそ【目的】と【目標(金額)】の組み合わせや、その人の収入や支出のバランスなどによっても選ぶべき【手段】というのは人それぞれ異なって良いと思うのですが、『周りがやっているから』、『SNSでよく見かけるから』といった理由でお金を貯める・ふやす手段を決めてしまっている人が多く、それゆえに【目的】、【目標(金額)】、【手段】のミスマッチが起こっている人も多いように感じます。
世間で話題になっていることにアンテナを張って、時代の流れに乗ることも重要だと思いますが、ぜひ『自分の場合はどうなのか?』、『自分にとってはどうなのか?』という目線で、自分のお金の管理について考えて頂きたいと思います。
今回、このように学生さんにお話をさせて頂いたことで、私としても大変勉強になり、視野が広がる良い機会を頂けたと感じています。
今後も、皆様の金融リテラシーの向上をはじめ、資産形成やリスクマネジメント、相続などのお金に関するお悩みやご不安、ご希望と向き合って、フォローさせて頂けたらと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
株式会社プロシード
ファイナンシャルプランナー 加藤雄大